久留米競輪の開設76周年記念GⅢ「第31回中野カップレース」は最終日の7月1日、第12Rで決勝戦が行われ、南修二(43=大阪)が最終2センターで内をすくって伸び、15年8月の富山以来、約10年ぶりのGⅢ制覇を果たした。
終始先行した太田海也はラストの直線で差され2着。3着には取鳥雄吾が入り、3連単は17万2250円の高配当となった。
中野浩一氏(左)に祝福される南
質実剛健なファイターは、まるで敗者のようだった。南が約10年ぶりにGⅢを制覇。ただ、最終ホームで太田の仕掛けに付いていけず、連係した三谷将太も落車と、自身の中では内容に乏しいレースに、表情一つ変えず振り返った。
「たまたま。立ち遅れて情けない。人任せになってしまった。悔しい」
赤板で3番手につけたが、最終バックでは8番手。巻き返しへ一瞬の状況判断が功を奏した。郡司―和田の3番手にハマると、内を突いた和田のさらに内をすくって最終直線では太田の番手にピタリ。最後の力を振り絞り、ゴール板を真っ先に駆け抜けた。
表彰式でも笑顔は一切なし。「力のなさしか感じなかった。トレーニングを地道にやるしかない」と、喜びに浸ることもなかった。ただ「年齢はあまり感じてはいない」とポジティブな言葉も。福井FⅠ、高知FⅠを挟み、来月にはGⅠオールスター競輪が控える。悲願のGⅠタイトル獲得へ、求道者はまだまだ上を目指す。(北野 将市)
◇南 修二(みなみ・しゅうじ)1981年(昭56)9月7日生まれ、大阪府出身の43歳。2003年7月プロデビュー。通算成績は1600戦318勝、優勝30回、うちGⅢ優勝2回。1㍍70、80㌔。血液型A。
次走 優勝した南修二は福井FⅠ(14~16日)、2着の太田海也は玉野GⅡサマーナイトフェスティバル(18~21日)、3着の取鳥雄吾は弥彦GⅢ(10~13日)。